倒産回避:これだけは伝えたい! 三橋経営研究所サイトマップ

倒産とはどういうことか2

一般的に使われる倒産という言葉も実は極めてあいまいな部分を含んでいます。

乱暴な言い方かもしれませんが、手形や小切手を切っていなければ倒産はしない、というように考えておいて結構です。従って、経営危機に落ち込んで倒産を回避する為には、手形や小切手は決して切らないと言う固い決意で望んで欲しいと思います。支払手形を要求されたら、振込み決済にしていただく、受取手形もなるべく小額に分割してもらい、受取手形手形で支払いに当てる、あるいは自社で支払い保証書をを発行する等極力手形を切ることは避けてください。銀行が手形帳を出してくれない等みっともない言い訳でもなんでも結構、とにかく絶対にきらないと言う決意で一貫してください。手形小切手を絶対に切らないということは、商工ローンや街金との取引はできないということです。正直なところ、複数の商工ローンや街金で手形小切手を切って資金を調達している状態では90%は倒産を免れないでしょう。

不幸にして不渡りを出してしまったと言う場合、(俗に一回目の不渡りは「片目」と言われます)。6ヶ月間に2回不渡りが発生することが正式に2年間の銀行取引の停止処分 【厳密に言うと、普通預金はそのまま使えますし、当座預金ですら入金があれば受け入れます】に該当するわけですので、一回目はまだ片目ですが実質的には片目では金融機関も、通常の取引先も相手にはしてくれませんので倒産は時間の問題と言うことでしょう。 本来6ヶ月間に2回が決まりであれば一回目の不渡り情報をオープンにすることは、プライバシーの侵害です。必死になって倒産を回避しようと戦っている経営者に対して非常に残酷な情報公開です。どこからこういう情報がリークされているのか、銀行関係の人間も絡んでいるのでしょうか。どうも日本の社会は、落ち目の人間をよってたかっていじめ殺すという、いやらしい風潮があります。

さて、片目がつぶれると、翌日の朝から、商工ローンや街金が騒ぎ始めます。だみ声と、巻き舌の脅しの電話が入り始めます。彼らは民間の信用調査機関のFAX会員等になっていますので不渡りの情報(一回目の情報から掲載されている)はつぶさに目を通していますし、即座に自分たちの収入に結びつきますので、銀行のようにのんびりしていません。彼らは、電話ではただ単純にがなり立てるだけでなく,むしろ気持ちが悪いくらい同情的な場合があります。貴方に夜逃げをされたりすると困るのです。自殺された場合は少し事情が違うようです、会社なり家族などに入った保険金を狙う手があるからです。とにかく相談に乗るからと面会を強要してきます。会ってどこに金の臭いがあるかを調べまくります。一族、友人、取引先から金を引き出せそうなところはないか、うっかり以前に、金のありそうな知人の話をしたりすると、実に良く覚えていて、彼のベンツでその知人のところまで連れて行かれます。連れて行くから金を借りて来いと言うわけです。あるいは倒産してしまった会社のうち、どこかに現金の売上があるところはないか、金目の在庫はないか、利益が出そうで他に売れそうな部門はないか、私のときは、従業員が自動車事故を起こされた相手との示談交渉にまで介入しようとしたり等、金になりそうなものはないかと必死です。とにかく彼らにとって情報源である貴方に逃げられるのが一番困るのです。ただこの手の債権者が絡んでいる場合には、弁護士に依頼して、相応の話し合いで始末をしなければ、任意整理は難しくなります。

次に耳の早い債権者達が押しかけてきます。

主だった債権者になる方にはなるべく早くお知らせしてお詫びをしなくてはなりません。不渡りが出ることが明らかな場合には事前にお知らせするべきでしょうがこの辺は、後々の再建への目論見とも係わってきます。不意打ちを食った債権者は連鎖倒産の可能性もありますので、気分を害するのは当たり前です。ここで社長である貴方にできることはただただ頭を下げて誠実にお詫びをすることだけです。債権者達は突然の一方的な債務不履行に直面するわけですから、中には今までの柔和さとは打って変わって怒鳴りだす人も出てきます。ああこの人が、こんな風になってしまうのだ、、、と言う思いにかられる事も少なくありません。逆に、最も苦手と思っていた人が意外にも本気で心配をしてくれたり、人の心はまさに計りがたしです。

いずれにしても貴方は既に当事者としての能力を失っていますし、「 申し訳ありません」、「どうもすみません」以外には支払いの約束も、何の予定も立てられない立場に陥ってしまったのですから、まず第一にすべきことは弁護士の選任をすることです。立場や規模の大小はありますが、最低でも100万円~300万円の着手金が必要です。この時期の社長にとって最も大事な事は、まず手元に現金を確保することです。

冒頭に、不渡りを出すことが倒産の定義のように言いましたが、これは一般論で、正確に言うと、不渡りを出しても、経営者本人が、いくばくかの資金と、確固たる信念を持って事業継続を望むのであれば、倒産とはいえないのです。どれだけの現金をプールできるかが極めて重要です。

従業員の給与は立て替えて払ってもらえる制度(【労働福祉事業団による「未払い賃金の立替制度」で未払い総額の80%まで、退職金も対象なります:問い合わせは最寄の労働基準監督署又は労働福祉事業団・賃金援護部 044-556-9881】)もありますし、失業手当もありますのでひとまずさておき、社長のポジションは誰も守ってくれません。そして、心から家族に、特に奥さんに詫びることです。

もしかしたら貴方よりずっとつらい立場にいたかもしれません。倒産しても家族が離散しなかった場合は何とか立ち直ることができる例が多いのですが、バラバラになってしまった場合は本当に悲惨です。


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