民事再生法3
民事再生法2までで、民事再生法の特徴について書いてまいりました。次に実務的に手続きの流れを見てみますと:東京地方裁判所の場合
再生手続き開始の申立【弁済禁止の保全処分が出るので、この日から一切の支払いなどができなくなる】→再生手続き開始の決定【2週間】→再生債権の届出【申立日から6週間】ここで債権総額が確定→再生計画案の作成【申立日から2ヶ月】→再生計画案の提出【申立日から3ヶ月】→債権者集会で再生計画案のの決議:再生計画の認可【申立日より5ヶ月】不認可打だと破産手続きへ移行→再生計画案の遂行→3年経過で履行完了:最長10年まで履行が続く場合も有る。
民事再生法の申立と同時に、弁済禁止の保全命令が出るために、前日までの納入代金は、10万円以下の小額債権を除いて、再生債権として棚上げされる。一般的な例では70%~80%の債権がカットされ、20~30%が認可後に7~10年の分割で支払われることが多い。又認可される例が少なく、大阪では三分の一程度ということで、残りは破産宣告に回されるわけである。
申立の手続きなどは弁護士に依頼することになるでしょうが、経営者として一番大事なことは、資金の確保です。負債総額に見合う予納金の準備、弁護士への着手金も予納金と同額くらいは必要になります。申立後はまともな金融機関は当てにできませんし、申立日以降に仕入れる分は手形、小切手は使用できません。得意先と、仕入先との折衝能力が問われます。
個人版民事再生法
民事再生法の特則であり、以下の三つの手続きの総称です。
1.小規模個人再生の要件
- 将来において継続的、反復して収入を得る見込みが有ること
- 再生債権の総額が3000万円を超えないこと
原則として3年【例外5年】で、最低弁済基準額以上の額を平等に分割弁済する。債務者が最低弁済基準額に基準を満たした再生計画案を作成呈すつすると書面決議で債権者の決議がある。裁判所が定めた期日以内に計画案に同意しない由の回答をした債権者半数、議決権の総額の二分の一を超えないときは再生計画は可決
最低弁済基準額;例えば80万の負債総額なら、80万を3年で分割、300万なら100万を3年分割で、1000万なら1/5の200万を3年で分割、1500万以上はいくらでも300万円を3年で分割して払えばあとはチャラになるということです。
| 基準債権の額 | 最低弁済基準額 | |
|---|---|---|
| A | 100万円未満 | 基準債権の額 |
| B | 100万円~500万円未満 | 100万円 |
| C | 500万円~1500万円 | 基準債権の五分の一 |
| D | 1500万円以上 | 300万円 |
2.給与所得者など再生
1.の要件を満たし且つ- 給与またはこれに類する定期的な収入を得る見込みが有ること且つ
- その額の変動の幅が小さいと見込まれることの条件を満たすものだけが利用できる。
原則として可処分所得の2年分を、3年間で平等に分割、但し返済最低弁済基準を下回ることはできない。再生計画案を裁判所に提出すると債権者の意見聴取が有るが、不認可自由がなければ裁判所の裁量で決定。1.のように債権者の議決も要らない。
3.住宅ローンの特則
個人債務者が住宅を手放さずに経済的再生を図るため、住宅に設定された抵当権などに対する特則。いわゆる住宅ローン以外の担保権が住宅に設定されている場合は住宅資金貸付債券に関する特則の対象にはなりません。通常の経営者はこんな担保なしの自宅を持っていることはまれでしょう。
